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有用だが卑しい動物 嫌われ者の中世の豚
古来より、豚は世界各地でさんざんな扱いをされてきました。こちらの記事(「技術よりも理論派だった? 迷信に彩られた中世の医術」)でも触れているように、中世ヨーロッパの都市では豚がゴミ処理係を担っていました。
そのため、ヨーロッパの人々には「有用だが、卑しい動物」と評価されていたようです。フランスの片田舎にいたっては、豚と言う前には「失礼ですが」と前置きしなければならないほどの嫌われ者。
また、インドでは豚は汚物を食べるため不浄であると考えられていたほか、ユダヤ、イスラムでは現在でも豚肉を食べることが禁止されていますね。
こんな話もあります。12世紀、フランスの王子が一匹の雌豚のせいで落馬して命を落としたことがありました。そのため都市内で豚の飼育禁止令がだされ、市民の半数が豚を手放すこととなり、パリは豚肉不足に陥ったといいます。
参考:『図解 食の歴史』
次回は2月19日に
「中世の食の価値観」の1コマ漫画を公開します♪
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