イラスト:緒方裕梨(@colornix) |
中世ヨーロッパ世界の食材ヒエラルキー
中世の人々は、世界を作っているのは4つの元素「火・風・水・土」であり、それらには定められた序列があると考えていました。天に近いほど尊く、地に近いほど劣等という価値観によって、あらゆるものにヒエラルキーが存在していたのです。これを生物に当てはめると、最上位は伝説上の生物であり、続いて天高く飛べるタカやワシ、その下にクジャクやキジなどの野鳥、家禽、水鳥という序列になります。鳥類の下には、鹿やウサギなどの野生動物、家畜が位置づけられています。家畜の中でも、農村で食べられていた豚はとりわけ劣等とみなされていました。
つまり、食材を口にする人間にも等級があり、各々の階級にふさわしいものを食べることが求められたのです。庶民の間に流通していたえんどう豆にいたっては「えんどう豆を何度も食べると頭が鈍くなる。司教はこの豆を食べるべきではない」と書かれた文献が見つかっています。
参考:『図解 中世の生活』
次回は2月26日に
「公家男児の装束」の1コマ漫画を公開します♪
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