クトゥルフ神話には、様々な種族の神や生物が登場します。
今回は、神と呼ばれるに相応しい超自然的な存在であり、全宇宙を支配しているといわれる「外なる神」の1神「ヨグ=ソトース」を、『図解 クトゥルフ神話』(森瀬繚 著)を参考にご紹介します。
目次
数多の顔を持つ混沌ヨグ=ソトース
ヨグ=ソトースは、クトゥルフ神話の宇宙において、様々な役目を果たしています。そのひとつが、全宇宙を支配している「外なる神」が住む高次元へと向かうための門としての役割です。
そこは、宇宙の中心とも外側ともいわれ、混沌が渦巻います。
また、門そのものであるだけではなく、門の鍵であり、守護者でもあります。
ヨグ=ソトースの奥に宇宙を作り上げた神がいることから、この宇宙の秘密そのものともいえるでしょう。
もうひとつ、「外なる神」の住まう場所の門でありながら、「外なる神」の副王としての役目があります。
ヨグ=ソトースは時空の制限を一切受けない最強の神性であり、過去、現在から未来へと連なる時間流と、無限に蓄積されていく世界の記憶そのものともいわれています。
そのためエリザベス朝の魔術師たちは、ヨグ=ソトースこそが宇宙の全情報を記録しているアカシックレコードなのではないかと推測し、ヨグ=ソトースを手に入れることで、神の座に到達することができるのではないかと考えられていました。
また、信仰の対象にもされており、冥王星の知的生物「ユゴスよりのもの」はヨグ=ソトースを彼方のものと呼んで崇拝をしています。
門であり、「外なる神」の副王。
その姿は、ひとつひとつが太陽のように強烈な光を放つ、玉虫色の球体の集積物……という見かけを装った、触覚のある無定形の怪物です。怪物の姿を隠す球体の集合体は、沸騰するように永遠に泡立ち続けています。
また、ヨグ=ソトースは、実態を備えた神であり、ダンウィッチの老魔術師ノア・ウェイトリーが、ヨグ=ソトースを召喚し、ウェイトリーの実の娘であるラヴィニアとの間に子供を成したこともありました。
「外なる神」の総帥であるアザトースは従者たちの音色を聞きながら日々退屈に悶えていますが、門を守り、全宇宙の情報を記録しているヨグ=ソトースは、忙しい日々を過ごしているのかもしれません。
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