セレブ予備軍のみなさま、こんにちは。
これまではセレブとして使用人を雇う側の気持ちを想像していただきましたが、今回は逆です。場合によっては、使用人として雇われることから玉の輿に乗って、セレブへの道が開ける可能性もありますよね。
もしも使用人として雇われたらどんな生活をするのでしょうか? 『図解 メイド』(池上良太 著)より、使用人の一日を覗いてみましょう。
目次
使用人の一日の生活~女性編~
もしもあなたが女性の場合、雑役女中(メイド・オブ・オールワークス) として、こんな流れで一日を過ごします。朝は6時半に起床し、家中の鎧戸を開けることから仕事が始まります。
そしてキッチンや食堂の掃除を始め、ブーツやナイフの清掃など汚れ仕事を片付けます。 洗顔と手洗いを済ませたあとは、白いエプロンに着替えましょう。
朝食の準備の手伝いを終え、主人や家族が食事をとっている間に急いで食事を済ませます。朝食の後片付けを終えると、主人たちの寝室の窓を開けたり、シーツを剥がしたりします。
その後、女主人からその日の仕事内容を指示されます。
清掃の道具を持って階上に上がり、おまるや洗面台を含めた部屋の清掃をします。
ちょっと面倒ですが、ベッドメイク時には、ベッド用のエプロンに着替えることを忘れずに。せっかくの洗濯したシーツに汚れがついては台無しです。
寝室の部屋が終わると、広い広いお屋敷の掃除に入ります。通常は1日では終えられませんので、曜日ごとに掃除する場所を決めると良いでしょう。
掃除を終えた後は、最終チェックとして屋敷中を巡回し、漏れがないようにします。
昼食の準備や片付けが終われば、主人たちは優雅なティータイムです。お茶の準備もします。
夕食の30分前にはテーブルクロスなどの準備を整え、必要があればキッチンの手伝いにまわります。 このときもエプロンは汚れてもいいものに替えましょう。食事の時間は、もちろん清潔な白いエプロンを使います。
主人たちの食事が終わるのは午後9時を過ぎますが、簡単に食堂を片付けて、ようやく自分の食事です。食後は食堂の本格的な清掃を行い、お茶の準備をします。
夜になると、お屋敷の見回りをして、施錠をします。
朝食の準備の手伝いが終わったら、やっと就寝です。
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使用人の一日の生活~男性編~
あなたが男性だった場合は、こんな一日の流れです。従僕(フットマン)は、雑役女中と同じく、主人たちが起きる前にブーツやナイフの手入れなどの汚れ仕事を終わらせます。起床は、夏は6時半、冬は7時ごろを目安にしてください。
綺麗な服装に着替えると、主人や家族が朝食をとるための準備に入ります。テーブルにテーブルクロスをかけ、料理を順番に運びこみます。主人たちの食事が終わって後片付けをしてから、やっと自分たちの朝食の時間です。
お仕着せに着替えると、昼の仕事です。従僕の主な仕事は、訪問客への対応です。
訪問客がメッセージカードを置いていった場合は、主人にその旨を報告し、面会を求められた場合はどう応対するか判断を求めます。もしも主人が面会を拒否した場合は、辛いですが、お断りするのも従僕の仕事です。
ほかにも、お昼は、昼食の準備や片付け、さまざまな言いつけで忙しくなるでしょう。
夕方になると屋敷の灯りを用意し、ディナーの30分前には身支度用のベルを鳴らします。 そして最上級のお仕着せを身につけ、髪粉で髪を整えます。
ディナー直前にもう一度身支度用のベルを鳴らし、ディナーの準備に取りかかります。もしも訪問客を招いてのディナーである場合は、多忙です。主人の他にお客さまのご要望も漏れなく対応しなければなりません。
ディナーが終わって後片付けを済ませると、デザートとお茶の準備も待っています。午後9時過ぎにようやくすべてを終えて、自分の遅い夕食です。
その後、お客さまがいらっしゃる場合は、お見送りします。
そしてやっと就寝です。
もちろん、これらの仕事はあくまで例です。お屋敷によっては業務内容に差があります。 以上、使用人たちの一日をご紹介しました。
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ライターからひとこと
こうして見るだけでもへとへとになりそうですが、実際にはもっと細かく仕事があるでしょう。主人が急に言いつける雑用もあるでしょうし、食事もゆっくりとは食べられません。しかし家事や体力に自信があるなら、使用人というルートからセレブを目指すのもありです。その場合は雇用主を探すときに、子どものいない家や、使用人も家族のように迎えてくれそうな温かい主人を希望するといいかもしれませんよ。