「うちのファンタジー世界の考察」とは、「いわゆるファンタジー世界と呼ばれるもの全般」を対象に、著者である小林裕也さんの知識と妄想をごちゃまぜにして、「イラストコラムとしたもの」です。
アイスプラント――極寒世界に生息している植物
体表から蒸散する水分は周囲で凍結し、氷の殻を形成する。
“氷殻”は太陽光は透過し、外気を遮断する“温室効果”をもたらし、本体を低温から保護している。
根は体温によって氷床の下の凍土にもぐり込み、養分を吸収している。
“氷樹”の森。樹の幹や樹冠の梢に見えるのは氷殻であって氷樹本体ではない。
氷樹自身はひ弱で、本体だけではこんな大樹にはなれない。
周囲に形成される氷殻に支えられて成長するのである。
グリセリンを含む氷樹の樹液を集めて火にかけ煮つめると、糖分が高くなり“氷蜜”と呼ばれる
甘味料になる。極寒世界の数少ない加工生産物である。