皆さんは犬や虫、糞などを使った料理を食べたことはありますか? 現代日本では普通は食べない食材・料理でも、時代や場所が変われば好んで食べられていることもあります。 『図解 食の歴史』(高平鳴海 著)では、ヨーロッパを中心に、世界各地の食事情について解説しています。今回はその中から、ゲテモノとされる食材や料理をご紹介します。
目次
世界各地にみられるゲテモノ料理 食材は様々
ひとくちにゲテモノ料理といっても、様々な種類があります。そこで今回は本書を参考に、現代日本では普通は食べない変わった料理を食材ごとにご紹介しましょうまずご紹介するのは糞食です。北米のコマンチ族は鹿の糞を、中国南西部のトン族は牛の糞汁を調味料にした「便汁菜」を食べていました。
中には人糞を使ったものもあります。朝鮮の人糞酒「トンスル」や、甘草の粉末と人糞で作る人中黄という生薬などです。
犬は古代では世界的に食用にされ、肉が入手しづらい山がちの地域でよく養殖された。チャウチャウやチワワの先祖はもともと肉を採るための犬だった。今でもスイス、中国の広東、朝鮮では犬食が続いている。 『図解 食の歴史』p.224犬肉は孔子の好物だったと言われています。調理方法は煮込み、蒸し、焼きなど様々です。
猫も犬と同様に食用にされることがあり、ベトナムの食堂などでは珍味として消費されています。
虫を使った料理も世界各地にみられます。イタリアのサルデーニャ地方で食べられている「カース・マルツゥ」は、生きたウジ虫入りのチーズです。ウジの排泄物がチーズのうまみを引き出すとされ、闇市だけで流通しているといいます。
他にも、タイではタガメのフライが食べられていたり、メキシコではカメムシを炒って食べるなど、昆虫料理は地域によってバリエーションも多彩です。
日本でもイナゴの佃煮やハチの子を使った料理が食べられていますが、これらも海外の人からみればゲテモノ料理にあたるのかもしれません。
このように、見た目がグロテスクなものや普通は敬遠されるようなものでも、人間は食材として料理することがあります。旅先などでもし見かけたら、チャレンジしてみるのも面白いかもしれませんよ。
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