オーパーツ、それは「この場にあってはならない加工品」。 アトランティスやムーに並んで、オカルト好きの人にとっては外せないキーワードですね。
そのオーパーツの中でももっとも有名なのが、「水晶ドクロ」です。 今回は『超古代文明』(朱鷺田祐介 著)より、オーパーツとは何か、水晶ドクロとはいったい何なのかをご紹介します。
目次
水晶ドクロ基礎知識! そもそも「オーパーツ」って?
オーパーツとは、「Out of Place Artifacts(場違いな工芸品)」を意味する。本来は、何らかの理由で異なった年代の遺跡や地層に混入した別の技術レベルの工芸品を指す学術用語である。 『超古代文明』p.154書籍にもあるとおり、オーパーツとは「その時代に相応しくない加工品」のことを指します。
アメリカの動物学者アイヴァン・サンダースが、太古の動植物の化石層から発見された人工物のような物体に対して、初めてこの言葉を用いたことから、以降広く使われるようになりました。
オーパーツは、その遺跡の技術的な基準から考えると、作ることのできないはずの高度な技術で作られた製品なのですが、かつては後代の人間による混入などと考えられてきました。
その後は解釈が変わり、実際にはそれらの遺跡が属していた古代文明が、旧来の学説では否定されていた高度な技術を所有していたことを示す証拠だろうと言われるようになりました。
それにしても、オーパーツはあまりにも時を超越しています。
たとえば、「テキサスのハンマー」は、アメリカのテキサス州で、4億年前の石灰層から発見されたオーパーツです。
現在のハンマーに酷似していますが、メーカー名はありません。
また、「コソの点火プラグ」も有名で、これは1961年、カリフォルニア州コソ山脈出土の晶洞石の内部に閉じ込められていました。 晶洞石とは、空洞の内部に鉱物の結晶が並んでいる岩のことで、天然石を扱うお店などではよく見かけます。海外では、ジオードと呼ばれることが一般的のようです。
その晶洞をまっぷたつに切断してみたところ、中から、なんと50万年前のセラミック加工物が出てきたというのです。 そして加工物をX線写真で見て見ると、外見上もっとも近いのが、自動車の点火プラグでした。 用途は明らかになっていませんが、これは古代の地球を訪れたUFOの部品ではないかと言われています。
マヤ文明遺跡から発見された「水晶ドクロ」とは?
オーパーツの中でも有名な「水晶ドクロ」は、1927年に、イギリス領ホンジュラス(現ベリーズ)のマヤ系遺跡ルバアンタンで発見された、ドクロの形をした水晶です。探検家のフレデリック・A・ミッチェル・ヘッジズの娘であるアンナが、17歳の誕生日に遺跡から発掘しました。
地元の伝説によれば、それは世界に13個ある「呪いのドクロ」のひとつとされ、それらをすべて集めると世界の叡智が手に入り、人類が救われるといわれています。
ヘッジズはこれを少なくとも3600年前、マヤの高位神官が呪殺に用いた「破滅のドクロ」であると主張し、そして「アトランティス文明」によって生み出されたものだと主張しました。
ドクロは顎の部分が外れるようになっており、ドクロの内部には、レンズとプリズムの効果が組みこまれており、その目を覗き込むと催眠状態に陥るとも、太陽の光を当てると虹色に輝くが、蝋燭の場合、神秘的な紫色に光るとも言われる。 『超古代文明』p.155用途はもちろんはっきりとはわかりませんが、著者は、おそらく宗教儀式の際には下から光りを当てつつ顎を動かし、神託の儀式を行ったのではないかと推察 しています。
またアメリカの水晶彫刻家のフランク・ドーランドは、このドクロは水晶占いに最適で、星の巡りによっては、音や光を発すると評価しています。
彼の見立てでも、これはアトランティスで作られたものであり、十字軍遠征の際に、テンプル騎士団によって奪われたものだとしています。
300年かかるはず!?「水晶ドクロ<」の驚くべき技術
さて、この「水晶ドクロ」がオーパーツと見なされるわけは、その硬さに関わっています。水晶はモース硬度で7であり、これはダイヤ、サファイヤ、ルビー、トパーズに次いだ硬度です。 マヤやアステカ時代の銅製工具では歯が立たないどころか、現代の鋼鉄製工具を使っても、ひっかき傷すらほとんどつけられません。
また、古代人がダイヤなどの硬い宝石を道具に使っていた証拠も、まったくありません。
たとえば、水晶と同じ化学構造と硬度を持つ二酸化珪素の砂で研磨すれば、整形加工は可能ですが、これにはものすごく長い時間を要します。
1970年、アンナはヒューレット・パッカード社に調査を依頼しましたが、本体と顎が同じ素材で作られたこと以外はわかりませんでした。
そして機械による加工の跡も見つからず、古典的な手法で磨き出す場合は、なんと300年はかかるというのです。
つまり、水晶ドクロは明らかに、時を超越した存在なのです。
しかし残念なことに 、このアンナの「ヘッジズ・スカル」には偽物説も強く存在します。
1996年に大英博物館が調査した結果では、電子顕微鏡によって機械加工の跡が発見され、150年以内に作られたものだと言われるようになりました。
また、スミソニアン博物館の追跡調査によれば、ドイツのイーダル・オーベンシュタインという石加工の街で製作されたものだと推定されています。
そしてこれを、1944年にイギリスの競売業者サザビーズのオークションで、父のヘッジズ自身が購入したのではないかといわれているのです。
アンナの「ヘッジズ・スカル」以外にも水晶ドクロは多数発見されています。 1908年に中米で発見された「E・T・スカル」、1870年にモンゴル南西部で発見されたアマゾナイト製の「シュイ・チン・エル・スカル」、テレパシー能力を持つテキサス州の「マックス」など、いくつも存在しているのです。
もしもこれらが失われたアトランティス文明のものではないとしても、昔から水晶ドクロには、人間を魅了する、魔力のような何かがあるのでしょう。 そうでなければ、あらゆるところから発見されるはずはありません。
本書で紹介している明日使える知識
- アトランティス伝説の歴史
- 古代の飛行装置
- アショカピラー
- 禁じられた知識の書
- etc...
ライターからひとこと
水晶ドクロのなかでもひときわユニークなのが、本文でもご紹介したテキサス州の「マックス」です。マックスは所有者であるバークス夫人にテレパシーで自分の名を名乗り、同じ水晶ドクロを持つ人と早急に会って、力をあわせなければならないと告げたといいます。他にもたくさんの水晶ドクロがあり、色もさまざまで、発見場所や所有者も違います。興味がある方はぜひ本書を参考にされてくださいね。