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時は人類が宇宙開拓時代を迎えた未来の世界。『ストーリーの作り方』の著者が、未来に生きるSF作家の姿を借りて贈る、著者ならではのメイキング解説を練り込んだSFパロディー。いま、人類が宇宙進出に至った知られざる真実が明かされる。
誤解
作者:野村カイリ
ウッチャンと話せるようになって分かったことがある。
エイリアンは、当初は友好のためにやって来たということだ。彼らは地球が3回自転する間、すなわち3日間、友好のメッセージと会見の希望を伝えつづけた。ところが返答はなにもなかった。いやあるにはあった。意味不明の電波が送られてきた。なにかのメッセージであることは容易に推察できた。解析を進めるとともにこちらも同じ周波数の電波でメッセージを送りつづけた。
そして4日目、船内で高熱とともに倒れる者が続出した。毒性が極めて強いウイルスが原因であることが分かった。どのようにして船内に入り込んだかは分からない。死者が増えるにつれ船内には恐怖と怒りが満ちていった。怒りというのは、ウイルスが地球人の生物兵器だと言い出すものがいたからだ。一人の恐怖がやがて噂となって広まり、ついには多くのものが確信するまでになった。恐怖と高熱が正常な判断を失わせたのかも知れない。エイリアンたちは自衛と報復のために地球人を攻撃し始めた。地球人が持っているであろう治療薬を渡すようメッセージを送りながら……。
ウッチャンと話せるようになって分かったことがある。
エイリアンは、当初は友好のためにやって来たということだ。彼らは地球が3回自転する間、すなわち3日間、友好のメッセージと会見の希望を伝えつづけた。ところが返答はなにもなかった。いやあるにはあった。意味不明の電波が送られてきた。なにかのメッセージであることは容易に推察できた。解析を進めるとともにこちらも同じ周波数の電波でメッセージを送りつづけた。
そして4日目、船内で高熱とともに倒れる者が続出した。毒性が極めて強いウイルスが原因であることが分かった。どのようにして船内に入り込んだかは分からない。死者が増えるにつれ船内には恐怖と怒りが満ちていった。怒りというのは、ウイルスが地球人の生物兵器だと言い出すものがいたからだ。一人の恐怖がやがて噂となって広まり、ついには多くのものが確信するまでになった。恐怖と高熱が正常な判断を失わせたのかも知れない。エイリアンたちは自衛と報復のために地球人を攻撃し始めた。地球人が持っているであろう治療薬を渡すようメッセージを送りながら……。