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『ダンジョンズ&ドラゴンズ スターター・セット』の「ファンデルヴァーの失われた鉱山」をクリアしたPCは4か5レベルになって、"レベル1~4:地元の英雄"か、"レベル5~10:国の英雄"のとば口に立った(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』(以降"DMG") P.36「ゲームの段階」)。ベーシック・ルールには、その先"レベル11~16:国の大英雄"、そして最大の"レベル17~20:世界の大英雄"までのレベルアップのルールが掲載されている。では経験点を得るアドベンチャーはどう用意するか?
ひとつは翻訳されたアドベンチャーを入手することだ。そしてもちろん、自作する手もある。
日本語版のアドベンチャー・シナリオ製品
日本語版では、世界を救う一大キャンペーン・アドベンチャー『魂を喰らう墓』と、ダンジョンごとのアドベンチャーを集めた『大口亭奇譚』がある。
2019年4月予定の『ウォーターディープ:ドラゴン金貨を追え』(1~5レベル向け。シティー・アドベンチャー 原題:"Waterdeep: Dragon Heist" WotC 2018)と、続く『ウォーターディープ:狂える魔道士の迷宮』(5~20レベル向け。広大なダンジョンが舞台。原題:"Waterdeep: Dungeon of the Mad Mage" WotC 2018)も発売される。
これらをベーシック・ルールにある種族・クラスで20レベルまで遊んでも良いし、1レベルから取り掛かる機会に『プレイヤーズ・ハンドブック』(以降"PHB")と、クラスのデータが増量される『ザナサーの百科全書』を合わせて、幅広いPC作りを楽しむこともできる。これらに登場するモンスターの多くは『モンスター・マニュアル』(以降"MM")、宝物、マジック・アイテムや罠についてはDMGに掲載されている。
自作派のDMは、「ダンジョンズ&ドラゴンズ ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール日本語版」のP.65「戦闘遭遇の作成」を参照して、掲載されているモンスター・データや、「ファンデルヴァーの失われた鉱山」に収録されているモンスター・データを利用して戦闘遭遇を作成することができる。
アドベンチャーの要点が戦闘ではなくキャラクター間でのドラマであれば、人々が生活している近所に巣くうモンスターで間に合うかもしれない。だが、それではPCのレベルアップは遠のくし、ドラゴンといった看板モンスターに挑戦する機会も設けにくい(この範囲ではヤング・グリーン・ドラゴンとアダルト・レッド・ドラゴンしかない!)。強い敵、有名な怪物も多数収録されているMMが役に立つ。
ストーリーを組み立てる材料も用意されている。DMGと『ザナサーの百科全書』だ。DMGでは表を取り混ぜて、ステップを踏んでアドベンチャーを組み立てていくことができる。
ひとつは「場所型アドベンチャー」で、
・ステップ1:パーティーの目的を決める(「ダンジョンでの目的」表、「野外での目的」表、「その他の目的」表)
・ステップ2:重要なNPCを決める(「アドベンチャーの悪役」表、「アドベンチャーの味方役」表、「アドベンチャーの依頼者役」表)
・ステップ3:場所の細かい設定を決める(表は第五章参照)
・ステップ4:理想的な導入を考える(「アドベンチャーの導入」表)
・ステップ5:理想的なクライマックスを考える(「アドベンチャーのクライマックス」表)
・ステップ6:遭遇の計画を立てる
というステップである。
もうひとつ「イベント型アドベンチャー」の8ステップもある。
この項には、さらに「アドベンチャーの複雑化」、「遭遇の作成」として戦闘遭遇の組み立てかた、「ランダム遭遇表の作成」といった解説が掲載されている。
次回は、DMGと『ザナサーの百科全書』を組み合わせてのアドベンチャー作成について、続きを述べていく。
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