ラノベ好きVtuberとして活躍する本山らのさんによる、ファンタジー小説おすすめコラム「本山らのとファンタジー小説を読みませんか?」がはじまりました!
小さい頃から本が好きだという本山らのさんが、テーマに沿ったお気に入りのファンタジー小説を紹介してくれます。第1回のテーマは「魔法学校」。興味がわいたら、ぜひ一緒におすすめ本を読んでみてくださいね。
『ハリー・ポッター』と『七つの魔剣が支配する』
書き手:本山らの
みなさんは、ファンタジー小説といえば、何を思い浮かべますか?
『指輪物語』? 『ナルニア国物語』? はたまた、『スレイヤーズ』や『魔術士オーフェン』シリーズでしょうか……?
ファンタジー小説は世代を超えて、愛されておりますよね……!
ライトノベルのジャンルとしても根強い人気があり、新旧問わずたくさんの名作があります。
そんなめくるめくファンタジー小説の世界を本山とともに巡っていこう! という連載がはじまります!
ということで、おはらの!
ライトノベルの魅力をお届けするVtuberとして活動しております、本山らのです。
ファンタジー小説にもアンテナを伸ばし、様々な作品をご紹介していけるよう、がんばります!
☆☆☆
私がファンタジー小説と聞いて真っ先に思い浮かべたのは、J・K・ローリング著『ハリー・ポッター』シリーズです。
ハリー・ポッターと賢者の石(静山社) |
小学生の時にハリー達と出会い、作品世界に引き込まれた思い出は私の読書体験の原風景の一つであり、宝物のような記憶なのです。ただ、とにかく夢中で読んだことばかり印象深く、手に取ったきっかけが思い出せないのが悔しいのですが……ぐぬぬ……。
あまりに有名なこの作品。たとえ読んだことがなくとも、映画を観るなどして作品に触れたことがある方が大半なのでは、と思いますが、改めて物語の導入を振り返ってみましょう。
両親を亡くし、親戚の家に預けられ、皆に邪険にされながら階段下の物置で暮らしていたハリー。
そんな彼は11歳の誕生日を迎えたその日、自分は魔法使いであるということを知らされます。
冷遇され、冴えない暮らしを送っていた彼がいきなり高名な魔法使いの子供だったと明かされ、魔法学校へ招待される。そんな劇的なオープニングに一気に心を掴まれます。
私も、11歳の誕生日が来たら、ふくろう便で魔法学校への入学許可書が届くかな……なんて夢想したものです!
これ、小学生時代にハリポタを読んだ人あるあるなのでは……!?
そして、入学準備のため魔法用品店を巡り買い物をしていくシーン……!
心が踊ります。自分だったらどんな杖に選ばれるんだろう? と想像するのも定番ですね!
9と4分の3番線など、日常の裏側に本当に魔法使いの世界が広がっているのではなかろうか……と思わせる描写もわくわくします。
ホグワーツ魔法魔術学校へ入学し、様々な学生や先生と出会い、授業を受け、イベントをこなし……。
もちろん、学校を飛び出して分霊箱を探したり、過去の縁が明らかになったりする場面もドラマチックで素晴らしいのですが、小学生の子狐だった私にとって、魔法学校での生活の描写はたいへん魅力的でした。
ホグワーツで教科書として使われているという設定の魔法生物事典『幻の動物とその生息地』を読んで、ホグワーツでの授業へ思いを巡らせたのも懐かしい思い出です。映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズの主人公としても脚光を浴びているキャラクターが著したという(ことになっている)この本、空想生物の記述盛りだくさんで、パンタポルタ読者さんなら楽しめること間違いなしです!
改めて、大人になって『ハリー・ポッター』シリーズに触れてみると、また異なった部分に惹かれるのでしょうか……?
童心に返って読み返してみるのも良いかもしれませんね。
そして、身近にお子さんがいる方がおられましたら、ぜひこの作品をおすすめしてみてください……!
まず入りやすい映画から一緒に観て、手の届くところに書籍を置いておくなどして、じわりじわりと刷り込んでいくのが良いのではないでしょうか…!? 子どもは天邪鬼なので!(実体験)
分厚く、7巻にもわたる長編ですが、長年にわたり愛される名作だけあって読み始めたら止まらないこと請け合いです。
☆☆☆
そして、魔法学校を舞台にした作品繋がりで、ライトノベル好きとして注目している新シリーズがこちら!
宇野朴人著『七つの魔剣が支配する』です。
七つの魔剣が支配する(電撃文庫) |
名門キンバリー魔法学校へ入学した新入生たちが繰り広げるファンタジーバトルアクション!
この作品の魔法使い達は杖剣を用い、剣術と呪文を組み合わせた魔法剣で戦います。
日本刀を引っさげ、東方からやってきた少女ナナオや由緒正しきお嬢様シェラなどの仲良し6人組で送る学校生活は波瀾万丈で、一筋縄ではいきません。
無事に卒業できるのは入学者の8割ほどと言われる魔法学校には、地下の迷宮や非友好的な上級生など危険がいっぱい。
そして、そんな学校生活の陰に渦巻く復讐譚とは……!?
学校生活の描写にはこれまたわくわくさせられますし、定番の中にも独創性がある設定が読んでいて楽しいのです。例えば、トロールなどの亜人種の権利を認めようとする人権派と旧来の保守派の対立を描いたり、魔法使いに欠かせない「箒」の描写ひとつ取っても、この作品では空を飛び回ることで回遊魚のように魔素を摂取して生きる「魔法生物」として描かれていたりするなど、魔法世界の設定が他の作品とどう違っているのかに注目して読んでみるのも楽しいかもしれません。
また、生徒同士の間で紡がれる関係性を見るのも魔法学校ものの醍醐味。嫉妬や悪意も渦巻く魔境・キンバリー魔法学校で、共に生き抜いていこうと育まれる6人組の絆、素敵です。
そして、タイトルの「魔剣」とは何なのかということが明かされる1巻終盤の展開には目を見張るものがあり、鳥肌が立ちました。何でもそつなくこなす主人公オリバーの持つ裏の顔と、彼の果たさんとする目的とは。作品世界の広がりを感じるとともに、この物語の結末を見届けたい、と思わせられました。
2019年1月時点で既刊2冊という、まだまだこれからが楽しみなシリーズです。
☆☆☆
というわけで、連載第1回目には「魔法学校」を舞台にしたファンタジー小説についてのお話しをさせていただきました。
魔法学校に入学したい人生……いえ、狐生でした……!
魔法学校への憧れを思い出しつつ、作品に触れてみるのも良いのではないでしょうか?
それでは、さよならの~!
本山らの(@Motoyama_Rano)
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