『ダンジョンズ&ドラゴンズ スターター・セット』に収録されている「ファンデルヴァーの失われた鉱山」とベーシック・ルールを使い、D&Dをはじめてみるお話の続きをしよう。いよいよ戦闘遭遇だ。「スターター・セット」の内容については本連載の第19回を参照すると、より分かりやすいだろう。
今回はプレイヤーで参加する人へのアドバイスをお届けしよう。
プレイヤーで参加するにあたって、ベーシック・ルールにあるキャラクター作成に目を通してもよくわからないという人向きには、「スターター・セット」に入っている作成済みのキャラクターを使ってプレイすることを強くお勧めする。
ゲームを経験し、キャラクター・シートに記載されている情報が何を表していて、どのデータを、どのようなことに使うかわかってからキャラクター作成に取り掛かるほうが楽しめるはずだ。
また、「スターター・セット」に入っている作成済みキャラクターは、一緒に入っているアドベンチャー・シナリオ「ファンデルヴァーの失われた鉱山」に関連した"背景"という設定があるためストーリーに絡みやすくなっている。
それ以外には、前回の繰り返しになるが、筆記用具とダイスがあればよい。
キャラクターがどのように行動するかは、担当キャラクターのクラスや種族の解説や、キャラクター・シートにある「人格的特徴」「尊ぶもの」「関わり深いもの」「弱み」を参考に、DMが説明する場面や登場するNPCやモンスターに応じてプレイしよう。
D&Dでの成否の判定は20面ダイス(d20)を使う。必要な時にDMが「能力」か「技能」を指定してダイス・ロールを指示してくれるから、指定の能力か技能の修正値とd20の出目を足してDMに宣言する。その結果はDMが説明してくれる。
戦闘においても、敵に攻撃が当たるかどうかの判定に使うのはd20だ。キャラクター・シート中央の「攻撃&呪文」に、使う武器と、その攻撃ボーナス、ダメージが記載されている。攻撃する際には、目標を指定して、武器を決め、d20をロールし、出目とその武器の攻撃ボーナスを足し算する。当たったかどうかはDMに尋ねよう(目標のAC以上であれば当たる。それを知っているのはDMだ)。
近くにいる敵を攻撃する「近接武器攻撃」と、飛び道具をつかう「遠隔武器攻撃」とも、この判定方法は同じだ。遠隔の時の距離によるペナルティについては、武器のスペックの下に付記がある。
戦闘において、敵が攻撃する際にもDMが同様にd20で命中するかどうかをロールする。その結果が、目標になっているキャラクターのAC未満であれば回避できたことになるが、AC以上であれば当たって、ダメージを受けてしまうことになる。
ウィザードとクレリックは、呪文の使い方について確認しておこう。「スターター・セット・ルールブック」でも、「ベーシック・ルール」でも「呪文の発動」のページに同じ説明がある。呪文が効果を発揮したかどうかについては、判定方法がいくつかあるので呪文ごとに確認しておく。このふたつのクラスは、使う呪文をそれぞれのクラスの「呪文リスト」から選択する。「ベーシック・ルール」の方が、このリストに入っている呪文が多いので、DMの許可があれば「ベーシック・ルール」にある呪文リストを使っても良い。
d20以外のダイスは、主に武器や呪文の効果の数値を算出することに使う。例えばファイターのグレートアックスの攻撃が当たったら、「ダメージ/種別」に"1d12+3"とあるので、12面ダイス1個の出目に3を足したものが、ダメージとして敵に与えられ、そのhpを削ることになる。
「セーヴィング・スロー」「技能」での判定や、項目についている黒い丸、白い丸、「受動【判断力】〈知覚〉値」の意味や使い方は、アドベンチャーが進んでいく中で、使ったりDMが説明してくれる機会がある。
「スターター・セット」の箱に「12歳以上向け」とある通り、D&Dは中学生から遊べるゲームだ。まず遊んでみよう。剣と魔法の世界の冒険に乗り出そう。