『ダンジョンズ&ドラゴンズ スターター・セット』に収録されている「ファンデルヴァーの失われた鉱山」とベーシック・ルールを使い、D&Dをはじめてみるお話の続きをしよう。
「スターター・セット」の内容については本連載の第19回を参照すると、より分かりやすいだろう。
■戦闘用意!
前回までに、プレイヤー・キャラクター(以降"PC")が依頼を受け、冒険のホームタウンとなるファンダリンという町への出立までを紹介した。
ネヴァーウィンターからファンダリンへの道中では、アドベンチャーを進めるにあたって必要とされる戦闘遭遇がある(「ファンデルヴァーの失われた鉱山」P.6~7)。拠点と拠点の間の移動では、ランダムの戦闘遭遇はしなくても構わないと前回に述べたが、この遭遇は物語の進行に関わるものであるため必ず行う。
実際にセッションで戦闘を遊ぶのに、テーブルの上には次のようなものが必要になる。
・ルールブック
・複数種類のダイス(色々な面数別のさいころ)
・プレイヤーは各自のキャラクター・シート
・ダンジョン・マスター(以降"DM")はアドベンチャーの戦闘に関するデータ(戦場の状態、モンスターなどの情報)
・戦闘中の行動順番やHP、状態などの経過記録をするための用具
・筆記用具
・複数種類のダイス(色々な面数別のさいころ)
・プレイヤーは各自のキャラクター・シート
・ダンジョン・マスター(以降"DM")はアドベンチャーの戦闘に関するデータ(戦場の状態、モンスターなどの情報)
・戦闘中の行動順番やHP、状態などの経過記録をするための用具
・筆記用具
経過記録をするための用具と筆記用具以外は、『スターター・セット』にそろっている。
筆記用具は、詳しくは鉛筆やシャープ・ペンシルと消しゴムだ。
経過記録をする用具とは、前回も述べた手軽なサイズのホワイトボードとマーカーが便利だ。PC関係を黒、敵についてのことは赤といったようにマーカーの色を分けすると、より情報の把握は易しくなる。
戦闘のルールを確認するのに、プレイヤーには「ベーシック・ルール プレイヤー向け」をお勧めする。ベーシック・ルールはプリントアウトしても良いし(※1)、PDFファイルなのでタブレット機器などで見られるようにしてもよい(キャラクターを作成しているのなら、すでに手元にあると思うが)。
DMは『スターター・セット』の「スターター・セット ルールブック」を使うと良い。DMをするとわかるが「開いて置いておく」「このあたりのページにあったはず、と目星をつけて開くことができる」、という点で紙の冊子は便利なのだ。もちろん、『プレイヤーズ・ハンドブック』があれば万全だ。
戦闘を始める前に、PCと敵との位置関係をどのように処理するか、テーブルにいるの全員で共通の認識を持っておこう。この戦闘遭遇にはバトル・マップは用意されていないし、「スターター・セット ルールブック」では、マス目をカウントするタクティカル・バトルは説明されていないからだ。
近接武器が届く「近接している」か、遠隔武器でなければ届かない距離かの2つに分かれている、という2つの態勢をPCごとに確認すれば、この戦闘はプレイできる。ホワイトボードにその都度書いておけば、いちいちDMへ確認をする手間が発生せず、DMはすべての情報を記憶しなくても済み、スムーズに進む。
戦闘中の行動の順番、つまり「イニシアチブ順」も全員で共有することになるので、その2つの情報は明瞭にして進めよう。
次回は、この最初の戦闘遭遇をプレイヤーとしてPCをどう行動させるとよいか、というアドバイスを、その次には、DMのマスタリングを紹介する。
※1 ベーシック・ルールは非営利目的で個人的な使用に限り、印刷・複製が許諾されている。