前回まで、「D&D日本公式サイト」内の「サポート」http://hobbyjapan.co.jp/dd/support/ からダウンロードすることのできるルールブックについて紹介してきた。
(1)『プレイヤー用ベーシック・ルール』日本語版ver.2
(2)キャラクター・シート(PDF)
(3)『ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール』日本語版ver.2
(4)1レベル用アドベンチャー・シナリオ “腐敗の影”
(2)キャラクター・シート(PDF)
(3)『ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール』日本語版ver.2
(4)1レベル用アドベンチャー・シナリオ “腐敗の影”
今回は、(3)『ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール』(原書:Dungeon Master’s Basic Rules WotC 2014、ホビージャパン 2018 以降"DMBR")を紹介する。
ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール
DMBRは、製品の『ダンジョン・マスターズ・ガイド』(以降"DMG")ではなく、ほぼ『モンスター・マニュアル』(以降"MM")の役割を果たす。
表紙、「D&Dベーシック・ルール序言」と進むと、「モンスター」の章となり「データ・ブロック」の項目説明のあと、動物・モンスターが159体、ノン・プレイヤー・キャラクター用のヒューマノイドのデータが10体、セッションにて使うことができるデータ・ブロックが掲載されている。
その後ろには「戦闘遭遇の作成」と「魔法のアイテム」の5ページほどが続き、この部分はDMGから持ってきている。データだけでなく戦闘の作り方も説明されているのだ。「ダンジョンに~がいて困っている。退治してほしい。」という依頼で、ダンジョンを探索しモンスターと戦うセッションくらいはすぐに用意できる。
DMBRは、実質的に抜粋無料版であるわけだが、比べてMMでは1種のモンスターに少なくとも1ページを使い、そのモンスターがどのような存在であるのか、という解説文が記述されている。
モンスターのデータ・ブロックの掲載数は428。モンスターの項目ひとつに1つのデータ・ブロックと限らず、複数のデータ・ブロックが掲載されているモンスターもある。
ドラゴンなら色と金属による種類のほかにそれぞれ、「ワームリング」「アダルト」「エインシャント」の各データ・ブロックがある。オークには「オーク」「オークの“グルームシュの目”」「オークの戦闘酋長」とか、ドラウでは「ドラウ」「ドラウの精兵」「ドラウの魔導士」「ドラウのロルスの女神官」といった具合だ。
そして各モンスターにイラストを挿してある。裏表紙の「ファンタジー世界の幻獣事典」のキャッチコピーは伊達ではない。
「戦闘遭遇の作成」は、DMG第3章:アドベンチャーの作成の「遭遇の作成」P.81~85 からの抜粋。「魔法のアイテム」のうち「アイテム解説」が、DMG第7章:財宝の「魔法のアイテム」から20項目がピックアップされている(「アーマー、+1、+2、+3」といった項目もあり、1項目1アイテムとは限らない)。選び抜かれているだけあって、使い勝手も良いマジック・アイテムが掲載されているがイラストはない。DMGの方に掲載されているマジック・アイテムのバリエーションは知性のあるアイテム、アーティファクトも含め275項目と10倍以上だ。PCのレベルが上がり、敵も強くなるのに合わせて、強いマジック・アイテムも備えたいところだ。
巻末は、付録:モンスター一覧(脅威度順)だ。「遭遇の作成」と合わせれば、DMの用意に役立つ。また英語でのモンスター名表記もあるので、英語のアドベンチャーに挑戦しようとする時にも重宝する。
次回は、(4)1レベル用アドベンチャー・シナリオ “腐敗の影”を、ネタバレはない形で紹介する。
※記事中の日付は記事公開時のものです。
▷バックナンバー