数々のゲームや漫画、映画に登場するキャラクター、エリザベート・バートリー。彼女が元は16世紀のハンガリーに実在した貴族の女性だということはご存じですか?
今回はエリザベート・バートリーのちょっと恐ろしい生涯をご紹介しましょう。
目次
3行でわかる! エリザベート・バートリー
- 16世紀ハンガリーの名門貴族のお嬢様。
- 美貌と若さを保つために600人以上の女性を殺害し、その血を身体中に塗った。
- 彼女が殺人に使ったマシーンは「鉄の処女」と呼ばれている。
彼女の生涯と殺人マシーン「鉄の処女」について、次項からもう少し詳しくご説明しましょう。
エリザベート・バートリーの生涯
エリザベート・バートリーは1560年、ハンガリーきっての名門バートリー家に生まれます。
15歳で名門ナダスディ家のフェレンツ伯と結婚しましたが、夫は戦争に出掛けるため留守がちで、口うるさい姑ウルスラ・ダナジーとの関係に苦労したようです。
エリザベートの行動を厳しく監視する姑にほとほと嫌気のさした彼女は、ついにウルスラの使用人を地下室に閉じ込め、拷問して殺害してしまいます。
窮屈な暮らしが続く中、彼女の唯一の楽しみは華やかに着飾ることでした。魔女の巨釜のような鍋で肌をきれいにする薬をつくっていたという話も伝えられています。ところが4人目の子どもが生まれた頃から容姿の衰えを感じるようになり、彼女はさまざまな美容法を試しはじめます。
そんなある日、エリザベートが不始末をしでかした侍女を平手打ちすると、はめていた指輪が侍女の頬を傷つけ、飛び散った血がエリザベートの腕に滴り落ちてしまいました。
血を拭き取ろうとしたエリザベートは、侍女の血がかかった部分だけ、腕が白く艶やかになっていることに気づきます。
エリザベートはひらめきました。若い女性の血を身体に塗れば若さと美貌を保てるのではないかと思ったのです。
こうして彼女は周辺の村から女性たちを集めると、数々の残忍な手法でその血を絞り取るようになりました。
かなり残虐……エリザベート流 血の集め方
・女性を縛り上げて身体中にカミソリをあて、血を絞り出す。
・殺人マシーン「鉄の処女」の中に閉じ込め、流れ出す血を集める。
・内側に無数の棘が仕込まれた「鳥かご」に女性を閉じ込め、血を絞り取る。
エリザベートはサディストで、女性たちが苦しみもがく姿に快感まで覚えたといわれています。
こうして集められた血を身体中に塗ったり、浴槽にためて血の風呂に入ることで、彼女は自らの若さと美貌を保とうとしました。一説によると、なんと600人以上もの女性が犠牲になったということです。
しかし最後には悪事が露見し、エリザベートは身分が高かったため死刑は免れたものの、真っ暗な部屋に幽閉されてしまいます。こうして1614年、エリザベート・バートリーはひっそりと亡くなりました。
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殺人マシーン「鉄の処女」
エリザベート・バートリーが女性たちの血を集めるために使った「鉄の処女」。いったいどんなマシーンなのか、その構造をご紹介しましょう。
世にも恐ろしい「鉄の処女」の仕掛けとは
・鉄でできた裸の人形。本物の女性の髪が植えられ、顔には化粧も施されていた。
・ボタン操作で人形の両腕が持ち上がり、そばにいる者を抱え込む。
・人形の内部は空洞になっており、抱え込まれた者はその空洞に取り込まれてしまう。
・空洞には無数の針が生えており、犠牲者は全身を刺されて血を絞られ息絶える。
・犠牲者の血は人形の内部から溝を伝い、エリザベートの浴槽へ流れ込む。
「鉄の処女」は鉄でできた大きな裸の人形ですが、人間そっくりの色に塗られ、顔には化粧が施され、本物の女性の髪も植え付けられているなど、かなり精巧にできていました。
目や口も機械仕掛けで動き、微笑むこともできたといわれています。
ターゲットとなる女性がこの人形に近づくと、ボタンの操作で人形の腕が動き、胸の部分が開いて内部へと取り込まれる仕掛けになっています。
人形の内部には無数の針が生えており、犠牲者は全身を刺されて苦しみながら血を絞り取られるのです。
流れ出した血は溝を伝ってエリザベートの浴槽へと流れ込むようになっていました。
もっとも、16世紀にこうした大仕掛けの装置をつくることは技術的に難しかったのではないかと考える者もいます。
伝説的なマシーンであり、「鉄の処女」が本当に存在したのかは謎に包まれたままです。
ヨーロッパ各地の「鉄の処女」
エリザベート・バートリーが所有していた「鉄の処女」以外にも、ヨーロッパ各地に似たような拷問装置が存在していたのではないかといわれています。
どのようなものだったのか、2つの例をご紹介しましょう。
①スパルタの「アペガの像」
・スパルタの暴君ナビス(在位 紀元前205年~前194年)が作らせた等身大の処刑装置。
・ナビスの妻に似せて作られた女人像で、きれいな衣装をまとっている。
・犠牲者が近づくとバネ仕掛けで動く人形の腕に抱き寄せられ、胸や腕の針に刺されてしまう。
・スパルタの暴君ナビス(在位 紀元前205年~前194年)が作らせた等身大の処刑装置。
・ナビスの妻に似せて作られた女人像で、きれいな衣装をまとっている。
・犠牲者が近づくとバネ仕掛けで動く人形の腕に抱き寄せられ、胸や腕の針に刺されてしまう。
②ニュルンベルグの鉄の処女
・円筒形をした金属製の女性像で、内部には太い釘が多数取り付けられている。
・犠牲者はこの像の中に閉じ込められ、釘で全身を貫かれるが、悶絶の声をあげても外にはほとんど聞こえない。
・1515年にニセ金を作った男がこの像で処刑されたという記録あり。
・円筒形をした金属製の女性像で、内部には太い釘が多数取り付けられている。
・犠牲者はこの像の中に閉じ込められ、釘で全身を貫かれるが、悶絶の声をあげても外にはほとんど聞こえない。
・1515年にニセ金を作った男がこの像で処刑されたという記録あり。
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