小説や漫画、ゲームなどの題材として人気の高い北欧神話。
何となく興味はあるけど難しそう。話のネタとして知っておきたい。好きなキャラクターがどんな活躍をしていたのか気になる。
そんな方に向けて、北欧神話のあらすじや名シーンを分かりやすくご紹介します。
今回のテーマは、ヴァン戦争とアースガルズです。
目次
北欧神話・ヴァン戦争のあらすじ
神々の世界アースガルズが造られた当初、アース神族たちは豊かで満ち足りた生活を送っていた。
ところがある時、魔女グルヴェイグらが進入してくると、アースガルズに悪徳がはびこるようになる。アース神族たちはグルヴェイグを滅ぼそうとしたが、グルヴェイグは3度も蘇り、その度に神々の心を侵していった。
こうして欲得に溺れたアース神族は、領土拡大や黄金を望むようになり、ヴァン神族との戦争を開始する。
戦いはなかなか決着がつかず、アースガルズの城壁は度々破壊された。長い戦争に疲れ切った神々は、人質を交換することで戦争を終結させることを決める。
ヴァン神族は一族の中で最も優秀なニョルズ親子を人質として差し出した。ところが対するアース神族が差し出したのは、無能な神ヘーニルと巨人ミーミルだった。
これを侮辱だと感じたヴァン神族は巨人ミーミルを殺害し、その首をアース神族に送り返したのだ。
ところがある時、魔女グルヴェイグらが進入してくると、アースガルズに悪徳がはびこるようになる。アース神族たちはグルヴェイグを滅ぼそうとしたが、グルヴェイグは3度も蘇り、その度に神々の心を侵していった。
こうして欲得に溺れたアース神族は、領土拡大や黄金を望むようになり、ヴァン神族との戦争を開始する。
戦いはなかなか決着がつかず、アースガルズの城壁は度々破壊された。長い戦争に疲れ切った神々は、人質を交換することで戦争を終結させることを決める。
ヴァン神族は一族の中で最も優秀なニョルズ親子を人質として差し出した。ところが対するアース神族が差し出したのは、無能な神ヘーニルと巨人ミーミルだった。
これを侮辱だと感じたヴァン神族は巨人ミーミルを殺害し、その首をアース神族に送り返したのだ。
アースガルズの城壁建設のあらすじ
ヴァン戦争でアースガルズの城壁が破壊されたある日、神々の前に1頭の牡馬を連れた鍛冶屋が現れる。
彼は女神や太陽、月を報酬として、堅固な城砦を建てると申し立てた。神々はいざとなれば彼をペテンにかければ良いという悪神ロキの助言を受け、鍛冶屋に仕事を任せることにした。
ところが鍛冶屋は予想外のスピードで仕事をこなしていったので、神々は驚き、約束の報酬を与えなければならないことを恐れた。そこで悪神ロキは牝馬に化けて鍛冶屋の牡馬を誘惑し、その仕事を妨害する。
不正に怒った鍛冶屋は、巨人の正体を現して神々に襲いかかったが、雷神トールにより返り討ちにされてしまった。
こうしてアースガルズは堅固な城砦を手に入れたが、契約違反という悪徳を背負うことになった。
彼は女神や太陽、月を報酬として、堅固な城砦を建てると申し立てた。神々はいざとなれば彼をペテンにかければ良いという悪神ロキの助言を受け、鍛冶屋に仕事を任せることにした。
ところが鍛冶屋は予想外のスピードで仕事をこなしていったので、神々は驚き、約束の報酬を与えなければならないことを恐れた。そこで悪神ロキは牝馬に化けて鍛冶屋の牡馬を誘惑し、その仕事を妨害する。
不正に怒った鍛冶屋は、巨人の正体を現して神々に襲いかかったが、雷神トールにより返り討ちにされてしまった。
こうしてアースガルズは堅固な城砦を手に入れたが、契約違反という悪徳を背負うことになった。
ざっくり用語説明
*アース神族
アースガルズに住む神々。主神オーディン、雷神トール、戦神テュールなどがいる。
女神イズンの管理する永遠の若さのリンゴの力で、老いることも醜くなることもない。
ただし、怪我をしたり命を落とすことはあった。
*ヴァン神族
ヴァナヘイムに住む、豊穣や富と通商、愛欲、美を司る神々。ヴァン神族とは「光り輝くもの」という意味で、その名の通り美しい外見を持ち、魔術的能力にも優れている。
アース神族との戦争後は彼らとの交流を一切絶ち、神話の表舞台から姿を消した。
*ニョルズ
ヴァン神族の貴公子。ヴァン神族の中で最も足が美しい。
若い頃にはヨトゥンヘイムに住む巨人族のもとに人質として送られ、辛い生活を送っていた。
豊穣神フレイやその妹フレイヤの父親でもある。
*ヘーニル
見栄えだけは良いが無能な神。ミーミルとともに人質としてヴァン神族のもとへ送られた。ミーミルとは違って生き残り、最終的にアース神族のもとへ帰還する。
*ミーミル
知恵袋の巨人。ヘーニルとともに人質としてヴァン神族のもとへ送られた。ヴァン神族によって殺害され、首を送り返される。
*フレイヤ
ヴァン神族の女神。兄は豊穣神フレイ。とても美しく、愛と美と豊穣を司っていたため、多くの巨人たちに付け狙われた。戦争や呪術の女神としても知られている。
オードという夫がいるが、他にも複数の愛人がいるなど奔放な性格だった。
*トール
アース神族の中で最も巨人族に恐れられていた雷神。
赤ひげを蓄えた偉丈夫で、頭には砥石がめり込んでいる。単純で怒りっぽい性格で、雷を操ることができる。540もの広間がある広大な館に住み、手にはミョルニルの槌を持っていた。
*巨人族
原初の巨人ユミルを祖先に持つ、北欧神話の敵役。ヨトゥンヘイムに住んでいる。
外見や大きさは様々で、奇怪な容貌のものが多いが、女性には非常に美しいものもおり、神々の花嫁として迎えられることもあった。
神々に匹敵するような莫大の財産や魔法の品々を持っている。獰猛で単純な性格をしているものが多く、知恵や魔力も持っているが、騙されやすい。
*悪神ロキ
巨人族出身だが主神オーディンと義兄弟の契りを結び、アース神族の一員になった。
優れた変身能力を持ち、両性具有の存在で、外見は立派で美しいが、性格はひねくれていて気まぐれ。
悪知恵を働かせて狡猾に立ち回り、神々に不利益をもたらすこともあれば、神々の窮地を救うこともある。
妄想名シーン
アース神族との戦争にすっかり疲れ果てたある日、ヴァン神族の会議にて――。
「ニョルズよ、すまないが人質としてアース神族のもとへ行ってくれないか」
「ええっ、若い頃にも巨人族の人質になり散々苦労したのに、今度はアース神族の人質ですか」
「誠に申し訳ない。だが我々ヴァン神族の中で、君がいちばん優秀なんだ」
「そこまで言われたら仕方ない。わかりました」
こうして優秀だったニョルズ親子はアース神族の人質となった。
だが代わりにアース神族から差し出されたのは、無能で役立たずの神と巨人だった――。
〉あらすじで読むシリーズ
◎関連記事
神々の世界アスガルドと9つの世界 北欧神話の世界ガイド