5月某日、ぱん太のもとに一通の招待状が届いた。
『我 冒険者 求む 冒険者の店ルヴァン』
日時:2018年の5月26日(土)10:00~
場所:埼玉県 武蔵浦和「Café Bistro LEVANT」
場所:埼玉県 武蔵浦和「Café Bistro LEVANT」
冒険といえば、友情・努力・勝利……そして、美味しいごはん!
パンダ界隈のウワサによると、冒険者の店ルヴァンのカレーとスイーツは絶品らしい。
美味しいものを食べるついでに人助けも悪くないよね。
ボクはさっそく冒険に出かける準備をはじめた――
*****
当日の朝。意気揚々と出発したぱん太は、いきなり冒険者としての洗礼を受けることになる。
Googleマップによると、JR武蔵浦和駅からルヴァンまでの道のりは徒歩で10分くらいだったはずなんだけど……駅を出てからすでに20分は経っているのに一向にたどり着く気配がない。
そう、迷子になったんだ。
よく帰るまでが遠足って言うけど、たどり着くまでも冒険だね。
結局、ルヴァンに到着したのはそれから10分後のこと。
落ち着いた雰囲気の店内で受付をして、冒険者のスタンプカードと案内をもらったよ。
「大ボドゲ宴2」では、ボードゲーム(クエスト)を遊んだり、販売されてるお菓子やカレーを食べることでスタンプがもらえるんだ。スタンプを集めると何が起こるかは、後編でのお楽しみ。
会場に入るとすでにオープニングイベントが始まっていて、小さな子供から大人まで老若男女100人以上の冒険者が集っていたよ。みんなの視線の先にいたのは、Truth In Fantasy(新紀元社)シリーズでもお世話になっている健部先生!
実は今回の大ボドゲ宴には、四天王(と言いつつ設定は四神)と称して4名の大物ゲストが参加していた。
・健部伸明先生(青龍)
・朱鷺田祐介先生(朱雀)
・藤浪智之先生(白虎)
・友野詳先生(玄武)
・朱鷺田祐介先生(朱雀)
・藤浪智之先生(白虎)
・友野詳先生(玄武)
ちなみに、パンタポルタには朱鷺田先生のコラムもあるよ(コチラ)。
四天王はそれぞれ担当の卓を持っていて、そこで四天王のオススメゲームを遊ぶことができるんだ。
オープニングでは四天王が直々にオススメゲームの紹介をしてくれるから、あらかじめ気になるゲームをチェックしておこう。
食材を調達するゲームとモンスターカードゲームを組み合わせて「モンスターから食材を採取する」なんてイベントオリジナルの遊びかたも提案されていたよ。
さて、四天王のプレゼンタイムが終わったあとに登場したのは、宴の主催者であるマスター加藤さん。5月26日の今日は、悪いドラゴンを倒した1周年記念日なんだって。
ほほー、と聞いていたのも束の間。大きな咆哮が会場に響き渡り、「ゴールドドラゴン」と名乗る天の声(*1)が現れた!
「お前らが頑張って倒したドラゴンは、我らの中でも最弱」という打ち切り直前の少年漫画のような設定を語るゴールドドラゴン。
美しい女神さまも登場して、会場は大盛り上がり。
ゴールドドラゴンと愉快な仲間たち(5匹のドラゴン)を倒すべく、冒険者はクエストへ出発するのだった――
ぱん太、クエストを受ける
クエストを受けるには、冒険者ギルドの前に掲示されてる「クエストボード」を確認するんだ。難易度ごとに分かれているから初心者にも安心だね。
ひとまず、ぱん太は「とてもやさしい」コーナーを見てみたよ。
よく見ると、一つひとつのクエストにキャッチコピーがある!
ナイスアイデアだ~。
たとえば『おばけキャッチ』の「電光石火の早業」なんてぴったりだよ。おばけキャッチは、いかに素早くおばけを捕まえられるかが勝負だもの。
優柔不断なボクが「これもいいな、あれもいいな」と決めかねていると……
「どんなクエストをお探しですか?」
大ボドゲ宴2の共同主催をしている『体験型LARP普及団体CLOSS(*2)』の諸石さんが声をかけてくれた。
LARPとはLive Action Role Playingの頭文字をとったもので、リアルでRPGをして遊んじゃおう! って活動。海外で大人気なんだ。
宴のキーワードが「LARP」というだけあって、ファンタジー世界の服装をした人もたくさんいたよ。
「うーん。初心者なので簡単なものがいいなあ」
「それなら、ゲスト卓がオススメですよ。丁寧にインスト(ゲームの説明)してくれるから初心者向けです」
そして諸石さんは、ちょうどメンバーを募集していた健部先生の卓へ連れていってくれた。
クエスト1 センチュリー:イースタンワンダーズ
最初のクエストは、大航海時代を舞台にスパイスの取引を行う商人として海を巡る『センチュリー:イースタンワンダーズ』。参加者はボク含めて4人だったよ。
歴史をテーマにした「センチュリー」シリーズ(*3)の2作目で、日本では6月発売予定なんだって。未発売のゲームを先に遊べちゃうのもイベントならではだね!
*ざっくり遊び方*
ぱん太の前に置かれたボード。
盤面がこちら。
まず自分のボードを見てみよう。左に並ぶ4つの絵は上から順に「胡椒」「お茶」「唐辛子」「生姜」を表していて、プレイヤーはこれらの物資を交易してポイントを稼ぐんだ。
上にあるほど価値が高い。つまり、胡椒が一番希少ってことだね。
さて盤面に目を移すと、カラフルなキューブの入った器が4つ並んでるのが見える。このキューブは物資のコマとして使うよ。
プレイヤーは船を動かして物資を集め、ボードの四隅にある港へ行って16とか18って書いてあるポイントカードを取るのが大まかな流れ。
家を建てて通行料を稼いだり物資の交換を利用したりして、他の人より多くポイントを集めよう!
*プレイレポ*
さっそく航海に乗り出したぱん太。黒船がボクだよ。
それがこうなって……
こうなる。
見ての通り、ゲーム終盤に近付くと開拓が進んで家がぎゅうぎゅう詰め。
ぱん太が一瞬だけ暫定1位になるも、次のターンに白船さんが無情にもかっさらっていきました……。
けっきょく最後まで白船さんの独走状態で、ひたすら生姜拾いをするぱん太。一番価値の高い胡椒を持っていれば勝てるわけじゃないから幅広い戦略ができそうだ。
遊んだ感覚としては『カタンの開拓者』に似ているように感じたよ。
気になる人はぜひチェックしてみてね!
クエスト2 魔女たちの集会で…
少し前に、Twitterのハッシュタグ「#魔女集会で会いましょう」って流行ったよね。
初めて聞いたよって人に説明すると、「魔女に拾われた男の子が立派(なガタイ)に成長して魔女を守り愛する」みたいなテーマがもとになり、いろんな「うちの魔女集会」が作られたムーブメントのこと。
そんな「魔女集会」タグがささった人にオススメなのがこのゲーム!
『魔女たちの集会で…』
ゲームの遊び方に入る前に、少しだけ時間をさかのぼるよ。
*****
健部先生の卓でクエストを終えた冒険者一行はスタンプカードに青龍のお印をもらった。
遊んだボードゲームの想定プレイ時間に応じた数のスタンプを押してもらえるんだ。
またクエストボードをうろうろしていると、今度は「くろがね企画」の白井さんがぱん太を導いてくれたよ。
「記事にしやすそうな、ストーリー性のあるゲームが遊びたい」
という雑なリクエストにもかかわらず、とっても素敵なゲームを選んでくれた。
白井さんありがとう!
一緒に遊ぶ仲間がいなくても、ギルドの人に声を掛ければパーティーを集めてくれるんだ。すぐに3人の冒険者が集まってくれて、ボクたちはクエストを持ってギルドの受付を訪れた。
「パーティーメンバーはお揃いですか?」
→yes
→no
こうしてボードゲーム『魔女たちの集会で…』を手に入れたぱん太たちは、新たなクエストに旅立った。
*ざっくり遊び方*
プレイヤーはそれぞれ自慢の弟子をもつ魔女なんだ。
魔女の集会で、自分の弟子がいかに魅力的か自慢しあうのがゲームのあらまし。
場に並べられた8枚のカードの中から順に1枚ずつ取っていき、各自の持ち札が8枚になったら集会のはじまり。
取ったカードの設定を使って弟子のプロフィールを創作するんだ。1枚カードを使うごとに1ポイントもらえるよ。
集会が開かれると1人3枚のエンディングカードが配られて、ほかの魔女の弟子にふさわしいオチを提案できるんだ。採用された人は2ポイントゲット。最終得点で一応の勝ち負けが決定するよ。
*プレイレポ*
せっかくだから、一緒に遊んだ仲間の弟子を一部紹介しちゃうね!
弟子 その1
大柄で強靭な肉体をもつにもかかわらず、魔法使いを目指す弟子。綺麗な目をした彼は、闘技場に行くのが好き。そのため体には傷が絶えないという。
魔法使いに憧れる気持ちはまっすぐで、師匠に対してとても忠実。なんと家事までこなしちゃう。
そんな彼のエンディングは、師匠と恋人になるハッピーエンド。
魔法使いに憧れる気持ちはまっすぐで、師匠に対してとても忠実。なんと家事までこなしちゃう。
そんな彼のエンディングは、師匠と恋人になるハッピーエンド。
弟子 その2
むかしむかし、大変仲の良い兄弟がいた。しかし運命のいたずらか、2人は戦争で離ればなれになってしまったんだ。
なぜ戦争が起こったのか?
それは、ある魔法使いのつくった「無限の富を生みだす石」をめぐる争いによるもの。真面目な兄は必死に勉強して、優秀な戦士になった。頼れる兄を失った弟は盗賊に身をやつした。
そしてある時、弟は研究所から「石」の略奪に成功する。だけど、石には恐ろしい呪いがかけられていたんだ。手にしたものを「魔物」に変えてしまう呪い――醜い魔物になってしまった弟を討伐しに来たのは、かつて生き別れた兄だった。
もちろん、魔物の正体が弟だと気がつくはずもない。魔物は身を守るため戦士を殺めてしまうんだ。兄を手にかけた自分への憎しみ、石を作った魔法使いへの憎しみを抱え復讐のために魔女の門を叩いたのさ。
でも悲しい真実がひとつ。今では唯一の家族となった師匠こそ、彼が復讐を誓った石の魔法使いなんだって……。
なぜ戦争が起こったのか?
それは、ある魔法使いのつくった「無限の富を生みだす石」をめぐる争いによるもの。真面目な兄は必死に勉強して、優秀な戦士になった。頼れる兄を失った弟は盗賊に身をやつした。
そしてある時、弟は研究所から「石」の略奪に成功する。だけど、石には恐ろしい呪いがかけられていたんだ。手にしたものを「魔物」に変えてしまう呪い――醜い魔物になってしまった弟を討伐しに来たのは、かつて生き別れた兄だった。
もちろん、魔物の正体が弟だと気がつくはずもない。魔物は身を守るため戦士を殺めてしまうんだ。兄を手にかけた自分への憎しみ、石を作った魔法使いへの憎しみを抱え復讐のために魔女の門を叩いたのさ。
でも悲しい真実がひとつ。今では唯一の家族となった師匠こそ、彼が復讐を誓った石の魔法使いなんだって……。
重い、重すぎる!!
ともあれ、ふだん誰かに物語を語ってもらうことなんてないから、とっても楽しい体験だったよ。
昔は日が落ちると、家族みんなで囲炉裏を囲んでおばあちゃんの語りを聞いていたそう。そんな時代に思いを馳せて、夜な夜な暖炉に集まってこのゲームを遊んでみるのもいいかもしれないね。
*1 天の声
日本テレビ「スッキリ!!」の番組内に登場するナレーション名。
*2 体験型LARP普及団体CLOSS
LARP(ラープと読む)についての詳しい情報は、普及団体CLOSSさんの公式HPを見よう。
https://closs.larp.jp/
*3 「センチュリー」シリーズ
世紀(センチュリー)の歴史を探検するゲームシリーズ。2019年には第3弾も発売予定!
http://www.arclight.co.jp/ag/index.php?page=products&code=LG-0207