スカサハ(スカアハ)という名前を聞いたことはありませんか?
ゲームキャラクターの名前としてご存知の方も多いかもしれませんね。スカサハは元はケルト神話に登場する影の国の女王で、同じく数々のゲームに登場する英雄クー・ホリン(クー・フーリン)の師匠にあたる人物でした。
目次
影の国アルバの女王スカサハとクー・ホリン
スカサハは、ケルト神話のアルスター物語群に登場する影の国アルバの女王です。
影の国アルバはスコットランドにあるとも、スカイ島(スコットランド北方の島)にあるともいわれていますが、中には中東にあったのではないかという説もあり、はっきりしません。
ともあれ、スカサハはこのアルバの領地に城を建てて住んでいました。城は難所の多い危険な土地にあり、7重の城壁と生首が刺された9つの木の柵に囲まれていたといいます。スカサハはそこで若者向けの軍事学校を開いていましたが、多くの者はスカサハの城にたどり着くことすらできずに命を落としてしまいました。
ケルト神話の英雄クー・ホリンもまた、意中の美女エウェルと結婚するためにスカサハの城へ修行に訪れています。クー・ホリンは無事に城にたどり着くと、優秀さを認められてスカサハのお気に入りとなりました。彼女の娘ウアサハはクー・ホリンと恋仲にもなっています。
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スカサハは魔槍ゲイ・ボルグと予知能力の持ち主だった
それではスカサハはどんな女性だったのでしょう?
スカサハの名前には「影のもの」という意味があり、武勇と魔術に優れた恐るべき魔女として近隣に知られていたといいます。
彼女はたどり着くのも困難な城に住んでいましたが、残虐で人間嫌いというわけではなく、優秀な若者には積極的に修業を施していました。また一種の予知能力があり、『クアルンゲの牛捕り』(ケルト神話・アルスター物語群)ではクー・ホリンの運命を詳細に予言しています。
スカサハが使っていた武器はゲイ・ボルグと呼ばれる魔槍です。
海の怪物の骨で作られたこの槍はスカサハ秘蔵の品でしたが、後に弟子であるクー・ホリンに授けられました。ゲイ・ボルグの穂先は敵の体内に入ると50もの逆棘を傘のように開き、敵の体内をズタズタに引き裂いたといわれています。
本書で紹介している明日使える知識
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- 赤枝騎士団
- フィン・マックール
- アーサー王
- ドルイドの杖
- etc...