D&D第3版~第4版までの日本でのサポート
今回は第11回に続けて、日本におけるD&Dの展開についての小史を紹介していく。D&Dもアナログ・ゲームであるため、その楽しさを知ってもらうにはタイトルを覚えてもらう以上に、実際に遊んでもらうことが大切だからこそ、遊ぶ環境を整えることが重要なサポートとなる。
D&D周辺作品を生み出した "d20 license" については第9回で触れて翻訳タイトルを挙げたが、第3版からサポートしているホビージャパンでは、『月刊ゲームぎゃざ』(1999~2006)誌面サポートも展開しつつ、権利を通した作品やd20 licenseに沿ったタイトルの製作もおこなった。
そこでは、現在も継続しているD&D翻訳チームのメンバーはもちろん、現在の日本のTRPGシーンで活躍しているクリエイターから何人もがその腕を振るっている。
『Seven tales of Adventures ダンジョンズ&ドラゴンズ対応 シナリオ集VOL.1』(2003/8)
『シナリオ集VOL.2 A Seven‐game Match』(2004/12)
『君が作る街、トーチ・ポート』(2006/2)
『D&Dリプレイ 若獅子の戦賦』(2007/9)
『D&Dリプレイ2若獅子の戦賦-監獄島編』(2008/2)
『D&Dリプレイ3若獅子の戦賦-雷鳴山編』(2008/8)
『メタルヘッド/d20』(2008/3)
『ワースブレイド/d20』(2008/8)
『ワースブレイド/d20 エクスパンション』(2009/1)
『D&D第4版がよくわかる本』(2009/3)
『D&D第4版がよくわかる本II』(2009/7)
『D&D第4版がよくわかる本III』(2009/12)
『シナリオ集VOL.2 A Seven‐game Match』(2004/12)
『君が作る街、トーチ・ポート』(2006/2)
『D&Dリプレイ 若獅子の戦賦』(2007/9)
『D&Dリプレイ2若獅子の戦賦-監獄島編』(2008/2)
『D&Dリプレイ3若獅子の戦賦-雷鳴山編』(2008/8)
『メタルヘッド/d20』(2008/3)
『ワースブレイド/d20』(2008/8)
『ワースブレイド/d20 エクスパンション』(2009/1)
『D&D第4版がよくわかる本』(2009/3)
『D&D第4版がよくわかる本II』(2009/7)
『D&D第4版がよくわかる本III』(2009/12)
また、ホビージャパンが主催したD&Dコンベンションで使用したアドベンチャー・シナリオや、サポートを行ったD&D Game Day、D&Dエンカウンターズといったオフィシャルなイベントのために用意されたアドベンチャーの翻訳版をPDF形式でダウンロード提供した。第3版、第3.5版、d20モダン、第4版にわたってアドベンチャーは60作を超え、キャンペーンとして遊ぶことができる連作もあった。
この連載の第16回で、英語環境での第4版までのアドベンチャーを変換し、第5版で遊ぶ方法について紹介した。同様の手法を用いて、ダウンロード版の日本語版アトベンチャーを第5版用に仕立て直し、キャンペーンをはじめることもできるだろう。
(現在の最新版は "Conversions to 5th Edition D&D (version 1.01)"
Sage-Advice 11/30/2017 http://dnd.wizards.com/articles/sage-advice/errata-november-2017 [英語]を参照)
前回の「スターター・セット」の戦闘の遭遇を持ってきて、その間をDMGを駆使してストーリー部分を作り連結することを紹介したが、こちらは戦闘遭遇を第5版に調整するわけだ。
第5版のテスト版である“D&D NEXT Public open playtest”の時点から、ユーザーを「創る」部分に迎え入れたD&D第5版では、遊ぶ側の想像力でプレイの幅と楽しさを大きく拡げることが可能だ。「いつか遊ぼう」と留まる理由はない。様々な形で、そろったコア・ルールを活かして楽しいセッションを遊んでほしい。
次回は、第10回で紹介した店舗イベントから、D&D NEXT ― 第5版 public open playtest ― にかけての出来事を紹介していく。
※ 書名や中黒の入れ方については、それぞれの奥付の記述に沿った
※記事中の日付は記事公開時のものです。
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