魔術儀式で用いるペンタクルや印章には、特別な羊皮紙(または皮紙)を用います。
ですが特別な羊皮紙とは、いったいどこで手に入るのでしょうか?
実は、魔術師は魔術に用いる道具のほとんどを手作りしなければなりません。
そこで今回は『図解 魔導書』を参考に、魔術に使うための羊皮紙の作り方をご紹介します。
目次
魔術に使える羊皮紙の作り方①‐材料にも条件がある?
まず羊皮紙を作るための材料を用意しましょう。
一般的な羊皮紙の製作には獣の皮、塩、水、石灰が必要になります。
魔術用の羊皮紙の材料も基本的には同じですが、材料選びにいくつかの条件が付け加えられています。
魔術用の羊皮紙に使う皮は、【死産された子羊・生殖の年齢に達していない子供の動物・出産前に母親の体内から取り出された動物】のいずれかに当てはまる雄から取られたものしか許されていません。
また、採取方法にも条件があります。水星の日、水星の時刻に誰にも見られずに獣の皮を剥がなければなりません。
なかなか厳しい条件ですが、魔術を行うのは一朝一夕とはいかないものです。
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魔術に使える羊皮紙の作り方②-呪文や聖別に必要な道具は?
一般的な羊皮紙を作るための道具には、ナイフ、水を入れる器、薫蒸道具を用います。
羊皮紙にはいろいろな作り方がありますが、ひとつ例をご紹介しましょう。
まず獣の皮をナイフで剥ぎ、剥ぎ取った皮に塩をこすりつけます。
次に丸一日天日にさらし、石灰を溶かした水に3日間浸します。これは、ナイフでは取りきれなかった肉をそぎ落としやすくするためです。
その後さらに3日間日陰干しし、最後に薫蒸すればできあがり。
魔術用の羊皮紙であっても基本的な作り方は変わりませんが、聖別と呼ばれる魔術に使うための祝福を製作過程にはさみます。
この聖別をするためには【魔術用ナイフ・葦のナイフ・土製の器・ハゼルの杖・処女が紡いだひも・小川の小石・シルクの布】といった特別な道具が必要になります。
ここで注意したいのが、葦のナイフを用意するためには魔術用ナイフが必要なことです。 魔術用ナイフを使って沼地の葦を一撃で切り取り、葉をナイフの形に加工することで葦のナイフが完成します。
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