騎士道――それは、騎士たる者が歩む道。
日本の侍に武士道があるように、中世ヨーロッパにも騎士にふさわしい行動・精神の規範があったんだ。 そんな騎士道に基づいた中世の武術を研究し、「メディーバル・バトル・スポーツ(MBS=Medieval Battle Sports)」として現代に伝える組織。
「キャッスル・ティンタジェル」
この記事では、「西洋剣術ってどんな練習をするんだろう?」「気になるけどちょっと不安」と思っているみんなのために、パンタポルタのマスコットキャラクター“ぱん太”がキャッスル・ティンタジェル本部のようすをお届けするよ!
ピカピカの甲冑を身に纏った勇ましい姿の影には、たくさんの努力と工夫があったんだ。
目次
まるで中世の武器屋! ティンタジェル本部編
西武池袋線椎名町駅から歩くこと約5分。JR山手線目白駅からだと、徒歩約10分のところにある中世の城門をモチーフにしたオシャレな建物が、騎士たちの集う「キャッスル・ティンタジェル本部」だよ。かっこいいエンブレムも飾ってあって、騎士に憧れる人なら思わず門を叩きたくなること間違いなし!
さっそく中にお邪魔してみると、鉄柱に囲まれたバトルフィールドがお出迎え。柵の外側には椅子が並んでいて、お客さんは間近で試合を見ることができるんだ。実際の戦いの様子は、この記事(【レポート】「2017年 第2回STEEL! リーグマッチ公式戦」)で読むことができるよ。
今回の目的は試合を見ることじゃないから、ボクが向かうのは2階の本部。
階段を上りながら、壁一面に飾られたたくさんの色紙を見るのも楽しいんだ。みんなが知ってる人のサインもあるかもしれないね。(ボクは『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』の作者、大西巷一先生のサインを見つけたよ)
ワクワクしながら2階にたどり着いた先でボクを待っていたのは……
光輝く甲冑だ! かっこいい!
室内には長身の剣が飾られていたり、騎士のつけるワッペンやボールペンなどの雑貨を販売するスペースもあって、さながら中世の武器屋さん。
なんと、オーダーメイドで中世の靴まで販売しているんだって。
部屋の奥へ進んでいくと、ファンタジー世界の住人が着ていそうな色とりどりの衣装がずらり。
もちろんこれを着て戦うわけじゃなくて、イベント用の衣装みたいだよ。
そして、中央の机の上には、迫力のある甲冑が一式置かれているんだ。ぱん太とくらべても、こんなに大きい!
試しにガントレットを持ってみたけど、かなり重い……。すべて身に着けると大体20kg~30kg くらいになるらしいから、甲冑を着て戦うのには体力が必要そうだ。
女性騎士いわく、「慣れるから大丈夫」とのこと。重さだけ聞くと大変そうに思えるけど、全身で受け止めるから意外と負荷はかからないのかもしれないね。
騎士の中には、甲冑を着るのに適した体づくりをしている人も多くいるそう。騎士道、奥が深い。
ついでに近くにあった日本刀を模した剣や西洋剣を手に取ってみたら、やっぱりこれも重い! それに、剣道でつかう竹刀よりもずっと刃が長いんだ。とはいえ、もちろん本物の剣とは違って、刀身を空洞にしていたり軽い素材を使ったりしているみたい。
あまりの重さに両手で剣を振っていたら、「それ片手剣よ」とツッコまれちゃった。
※ちなみにぱん太が持っていた片手剣がこちら。利き手に剣、反対の手に盾を持って戦うんだ。
騎士御用達! ティンタジェルの武器倉庫編
次にボクが訪れたのは、キャッスル・ティンタジェル本部のすぐ隣にある倉庫。実はここ、甲冑をはじめ盾や練習用の武器がところ狭しと置かれている騎士アイテムの宝庫なんだ。
2階は広々とした稽古スペースになっていて、季節イベントのときにはパーティを開いたりするそうだよ。
まず目に飛び込んできたのが、山のように積まれた盾の数々。
デザインが豊富だと思ったら、各々の好きな模様にしているんだって。
女性騎士さんは執筆業をしているから「ペンとノート」の絵にしているそう。自分だけの盾があると、戦いにも気合が入りそうだね。
カゴの中からたくさん突き出ているのは、練習用の武器だよ。軽くてやわらかいという特徴に加えて、強さもある「ラタン」と呼ばれる素材を使っているんだ。
これを使って素振りをしたり、実際に打ち合いをして騎士の修行を積んでいくよ。
ちなみにスチールルールによるトップレベルの公式戦では鉄製の斧や剣で戦うから、ヘルメットが凹んじゃうことも……。
すごい衝撃だ! もちろんしっかりヘルメットが守ってくれているから、中の人にケガはないよ。
おまけに、鉄製のヘルメットは凹んだ部分を反対側から叩けばもと通りになるんだ。一度買ったら次の世代まで使えちゃうのも甲冑の魅力だね。
さいごに、女性騎士さん愛用の防具を見せてもらったよ。
ゲームや映画に出てきそうな、凝ったデザインの腕鎧。中世の防具らしく、いくつかのベルトを使って留めているんだ。
このほかにも、帷子や近接戦のときに使うダガーナイフも自分専用のものを用意しているんだって。
ひとくちに甲冑と言っても、その種類はさまざま。自分好みの甲冑を着ることで、どんな敵にも負けない心意気で戦えそうだね。
以上、ぱん太のレポートでした!
キャッスル・ティンタジェルでは、中世西洋剣術だけじゃなく侍や武士として戦う古武術を教えるスクールも開催しているから、気になる人は公式サイトを見てね。
http://www.castletintagel.com/
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