イラスト:緒方裕梨(@colornix) |
ユーモラスな大神ダグザ
ダグザは来寇神話群に登場するトゥアハ・デ・ダナンの首長であり、多くの神々の父としても知られる偉大な神さまです。
赤毛で豊かな髭を蓄えた太鼓腹の大男で、腰までのチュニックに馬革の長靴を履いた粗野な外見をしています。
そんな見た目とは裏腹に、ダグザという名前は「良き神」を意味し、ルアド・ロエサ(知に富む偉大なもの)という異名も持っています。
さて、大食いで感情豊かなダグザには、数々のユーモラスな逸話があります。
そのうちのひとつが、不倫を隠すために1日を9ヶ月に引き延ばしたというエピソード。
ダグザは多くの女神と関係をもっていましたが、河の女神ボアンもそのひとり。
ボアンには夫がいて、夜になると帰ってきます。不倫の事実を隠すため、ダグザは強行手段にでました。
なんと、子供が生まれてくるまでの9ヶ月のあいだ太陽を昇りっぱなしにすることで、逢瀬の事実を隠したのです。
まさに、神様にしかできない力業ですね。
*参考*
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